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デライトブログ 第20回「相談支援と訪問看護の連携について」その2
デライトブログ第20回は、前回に引き続き相談支援事業所 デライト江東の矢内亜希子さんへのインタビューです。
―――計画相談ではどんなことを話されるんですか。
矢内 サービス開始時はこれまでの生活歴、体調のことや、こういうことが大変だった、また今はこれで困っている、今後こうして行きたいという話をお聞きします。聴き取り調査にならないよう、雑談を交えたり趣味の話などもうかがいながら進めます。まずは聞くことからスタートし、サービスが開始されたらサービス状況や体調の確認、計画の振り返りを行います。
―――でも相談支援事業自体はまだ、あまり知られていないですよね。
矢内 主に高齢者の方が利用している介護保険ではケアマネージャーという存在は浸透していて、それと同じ役割ではあります。ただ障害福祉サービスは相談支援専門員を原則付けることになったのもここ最近のことですし、市区町村によってばらつきもあるので、まだまだ浸透はしていません。相談支援事業所数が少ない等の原因でセルフプランになる方がいたり、相談支援を利用するために待機状態の方も多いです。その点、当事業所はまだ開所したばかりで余裕もありますので、スピーディに動けるというのが今の持ち味でもあります。
―――素晴らしいですね。
矢内 相談支援事業所を通さなくても、訪問看護は医療サービスなのでご利用者は利用できます。でも当事業所はご利用者の生活や体調を見て、今訪問看護は入っていないけれど、この方は訪問看護が入った方が体調がもっと安定するだろうな、不安が軽減するだろうなというのを細かく見ていくことができます。
生活、体調とジャンルを問わず相談できて、こちらは話を聞いてその解決に向けて動くので、ご利用者にとってそういう安心できる窓口が増えるのは本当に大きいと思います
―――それは心強いですね。
矢内 また計画相談が入ると1年の長期目標と半年の短期目標などを作り、その目標を達成するために具体的にどういうことをやっていくかというのを話し合います。
でもプランを立てたら終わり、ではなくて1カ月後、3カ月後という決まった期間で、どのぐらいの目標が達成できそうかという確認は必ずしています。
振り返りや、先を考えることは誰かが入らないとやっぱり難しいと感じます。
―――定期的に相談できるのも大きな安心材料ですね。
矢内 その中でご利用者が実はこういうことで悩んでいる、あの時はそんなことなかったけど今はこうだ、っていう状況が結構把握できたりします。
またサービス担当の方からご連絡頂いて、状況がちょっと悪く変わってきている、逆にうまく進んでいるというような途中経過を聞くこともできます。その上でサポート方法を最善に変更したりもします。
定期的に見守ることで、今まで以上にご利用者のために力になることができます。
誰かと会って話すことがモチベーションになる方もいらっしゃって、「今日あなたと会うからお化粧したの」と言っていただいたり、話しやすい、相談しやすいといってもらえるとやっててよかったなと思います。
―――それは嬉しい反応ですね。ちなみにこういう相談を受ける特定の資格というのは何かあるんですか。
矢内 相談支援専門員という資格があります。その方の生活全体をみて、福祉サービスの提案をしたり改善を一緒に考える業務です。
広い視点で見たり、仕事柄色んな職種の方とお話を聞いて1人の方をサポートして行くので、その連携が楽しかったりします。
またそこでの気付きや、独りよがりになっていたところも気づけると思うので、人間的成長な意味合いでやりがいにも繋がると思います。
この業務に就く人の特性として、やっぱり人のお話を聞ける人が向いています。こちらが答えを出すのではなくて、一緒に考えていける方がいいですね。
ちなみに、相談支援専門員の資格取得には実務経験と専門の研修の受講が必要です。
頑張りがいのある仕事です。興味のある方には是非チャレンジして欲しいですね。
―――なるほど。これから若い方々にもぜひ目指してもらいたいですね。本日はありがとうございました。
矢内 ありがとうございました。
【相談支援事業所 デライト江東 矢内さん】
【編集後記】 ブログ第20回は相談支援事業所 矢内さんへのインタビュー形式での掲載2回目です。
計画相談事業はまだまだ知名度が低いサービスですが、ご利用者の生活に寄り添うサービスだということがよくわかりました。ありがとうございました。