デライトブログ 第7回「若手看護師が語る訪問看護の魅力 その1」 精神科に特化した訪問看護ステーションデライト

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デライトブログ 第7回「若手看護師が語る訪問看護の魅力 その1」

 訪問看護ステーション デライト葛飾
 S看護師

今回は、デライトの訪問看護スタッフの中で最も若手に属する、Sさんと知念大祐さんにお話をうかがいました。
お二人とも年齢は20代中盤。前職として病院勤務の看護師を経験しており、デライトで訪問看護に携わるようになってからは、およそ半年ということです。

──Sさんは、以前は病院勤務の看護師をしていらっしゃったそうですが、デライトに転職することになった理由はなんだったのでしょうか?

 最初は脳卒中の集中治療室で、その後に精神科病棟に異動になって、そこで2年間ほど看護師として働いていました。
その頃から、しっかり治療して退院したはずの患者さんが、また再発や再入院を繰り返すケースを多く見てきました。病院勤務の看護師という立場ですと、患者さんの在宅での様子は話で聞くだけで直接見ることは出来ません。
そんな中で、再入院してしまう人はご自宅でどう暮らしているのか、どういう理由で再入院という形になってしまうのか、ずっと知りたいと思っていました。その気持ちが、訪問看護のデライトに転職することになった大きな理由です。

──病院勤務していた頃と、デライトで働いている今とで、大きな違いを感じることはありますか?

 ご自宅はその人の生活の場ですから、整理整頓の状態や服装といった部分に、その人の本来の姿が出るんです。
例えば、うつが悪化した時に部屋の整理整頓ができなくなって、ごちゃごちゃになってしまったり、そういう事をすぐに感じ取ることができるんです。
洗濯物が溜まっていたり、家事をしたいけど出来なかったりといった状態もすぐわかります。「掃除をしてくれ」なんて言われたこともありますよ。

──そう言われたら、どう対応するんですか?

 掃除まで行くとヘルパーさんの仕事になってしまいますので、そこを説明した上で、本人の様子を見てなんとかやれそうだったら、全部じゃなくて一部を手伝ったりします。基本的に、何でもお世話するのではなく、その人の主体性を維持できるようにしています。

──ほかに、お仕事の中で困った経験とかありますか?

 症状に波がある人の場合、本来の訪問時間が決まっていても、「急に調子が悪くなって他人と話ができる状態じゃないからキャンセル」したいとか、「別の日にしてくれ」とか言われたことはあります。こちらとしては、状態が悪くなっている時だからこそ、様子を見たいんですけれどね。
そういう場合は電話をして、出てくれたら声の調子などで判断しています。ちゃんと薬を飲んでいるか、お医者さんに受診をしているかといったことも確認します。

──これまでお話を伺ったデライトの方々も、ちゃんと薬を飲むことが何より大事だとおっしゃっていましたね。

 ええ。特に精神科の薬は、勝手な自己判断でやめてしまうと、その後服用を再開した時に副作用が強く出たり、身体面にも影響があったりして、大変危険です。
そういうことがわからない利用者さんもいらっしゃるので、しっかりと説明しています。服薬を続けていくのは本当に大事です。

──お仕事の中で、特に嬉しかった事などはありますか?

 あるご利用者様から、最初に訪問した時は「若い人は嫌なんだよ」みたいなことを言われて、年齢だけでシャットアウトされるようなことがありました。私もそれだけで判断されるのは悔しかったので、先程お話ししたような「こういう思いがあって訪問看護の世界に来たんです」ということを説明しました。
そして、次もたまたま私がその方の訪問を担当しました。その方は自分の話を聞いてもらいたいタイプの方だったので、傾聴に徹して思いを汲み取るようにしました。
そしたら最初の時のような拒絶されるような感じはなくなっていって、「頑張っているねぇ」なんて言ってもらえました。粘り強く関わっていったので心を開いて下さったんだと思います。

──なるほど。他に何か、自分が今までやってきたことが役に立ったようなことはありますか?

 最近担当させていただくことになった方で、私と同年代のご利用者様ですが、とにかく人と話す時に緊張してしまい、そのせいでコミュニケーションがうまくできない方がいらっしゃいます。
なので初回に会ったときは、お母様も交えて3人でお会いしました。
で、私がそもそも看護師を志したきっかけなんですが、高校時代の友人にうつを持っていた人がいたんです。その子もおとなしい性格のせいで、周りからなんとなく距離を置かれてしまって、ますます喋れなくなってしまっていたんです。
私はその子の面白いところを見つけたりして、こちらから積極的に話すようにしていたら「あなたは話しやすいね」って言ってくれました。そういう経験があったので、将来もそういう道に進もうと思ったんです。
なので、その利用者さんを訪問する時も、看護師という立場ではあるんですけど同じ歳ということで、まずはファッションや髪型のことなどから話しはじめて、できるだけ壁を作らないように努めました。そしたらけっこう笑ってくれて、だんだん今の症状のことや薬のことについても話ができるようになっていきました。それが、最近の嬉しかったことですね。

──なるほど。では最後に、訪問看護という仕事に興味を持っている方へのメッセージが、何かあればお願いします。

 訪問看護の仕事は、病院勤務とは違って、その人の本来の生活を見ることができます。利用者さんも病院にいる時よりもリラックスして話してくれます。そこが大きな魅力ですし、なぜその疾患になったのかについての理解も、いっそう深まると思います。
若手でも、先輩方から色々と教えてもらいながら経験を積めるので、興味がある人はぜひ、この世界に来てほしいですね。

【デライト葛飾 S看護師】

 

【編集後記】
ブログ第7回はデライト葛飾のSさんへのインタビュー形式での掲載です。
訪問看護師というと、今まではベテラン看護師がなるものというイメージがありましたが、最近は、
若手の看護師の方の中にも在宅看護の世界に興味を持つ方が増えてきました。
次回は、若手男性看護師のインタビューをお届けします。