デライトブログ 第6回「精神科特化の訪問看護ステーションにおける作業療法士の役割 その2」 精神科に特化した訪問看護ステーションデライト

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デライトブログ 第6回「精神科特化の訪問看護ステーションにおける作業療法士の役割 その2」

 訪問看護ステーション デライト蒲田
 作業療法士 川島一洋

(ブログ第5回「精神科特化の訪問看護ステーションにおける作業療法士の役割 その1」はこちら

──看護師と作業療法士の仕事の違いを感じることはありますか?

 例えば、火傷の処置や巻き爪の爪切り、心音の確認など傷の治療や専門的なケアについては看護師さんにお願いすることが多いです。代わりに作業療法士が身体のリハビリだったりできることを増やしたり生活の幅を広げられるように介入させていただくことが多いように感じます。

──では、デライト蒲田に作業療法士の川島さんが在籍しているメリットは、どういうことになるでしょうか。

 当社の訪問看護ステーションの長所は、一人の利用者さんを複数のスタッフが交代で診ることで、複数の違った視点から問題点を改善していけることです。そういう意味でも、スタッフの中に作業療法士がいることの意義は大きいと思います。
 例えば歩くことがうまくできない場合、看護師さんなら血圧などの内科的な異常がないかチェックしたり、聴診器を当てて心臓の雑音を聞いたりするところですが、私たち作業療法士の場合は、歩く姿を見せていただいて、筋肉が落ちている部分があれば筋肉をつける運動を指導させていただいたり、腰痛が原因なら腰痛を和らげるストレッチを教えて差し上げたり、そういった方向から問題にアプローチしていきます。

 ──他に、リハビリのノウハウが生きるような場面はありますか?

 訪問看護は医師からの指示書に基づいて看護をしているんですが、リハビリ的にこういうことをやってほしいという具体的な指示・要望が来ることもありますね。歩く力が弱いので歩く力を上げてほしいとか、家に閉じこもりがちなので外出を促したり散歩に同行してほしいといった形です。
 また、年齢が70、80代にもなってきますと、精神疾患の有無にかかわらず、どうしても歩行力の低下や腰痛などの症状が出てきます。
 そういった方々に対して、リハビリという観点からサポートやアドバイスをして、生活全般の質を高めていくのが、私たち作業療法士だと思っています。
 あとは例えば、グループホームにいらっしゃるけれど2年後にそこを出なきゃいけないという方もいらっしゃいます。今は身の回りのことは世話人さんがフォロ-してくれますが、そこを出る日を見越して一人でできるようにならなくてはいけないんですね。
 なので、例えば金銭管理ができないのであれば、レシートを集めて出納帳を作って無駄遣いを削っていくとか、料理ができないのでしたら買うだけでなくレトルト食品を温めて食べるとか、そういう具体的な方法を提案しています。

 ──川島さんは、デライト蒲田に在籍する前はどういった職業についていらっしゃったんですか?

 大学を出て十年以上サラリーマンとして働いたのち、専門学校で資格を取得して作業療法士になり、精神科の病院内で勤務をしていました。

 ──デライト蒲田に転職した理由はなんだったのでしょうか?

 病院勤務時代は、入院患者を対象とした作業療法室と、退院された方が通うデイケア施設の両方を経験したのですが、デイケアの仕事の方が自分には向いていると感じていました。
 ですので、病院をやめて転職する時も、まずはデイケアを考えたんですが、条件の合うところがなかなか見つかりませんでした。
 そんな中で人材紹介会社さんから、最近特に需要が高まっているということで、当社の訪問看護ステーションの仕事を提案していただいたんです。
 私もデイケアの仕事の一環として訪問看護を経験したことがあり、やりがいのある仕事だと感じていたので、デライトへの転職を決めさせていただきました。
 作業療法士としては十年以上のキャリアがありますが、デライトに入ってからはまだ半年程度なので、毎日が勉強の連続ですね。

 ──病院在籍時代とデライトでの仕事の違いは何でしょうか。

 マンツーマンで利用者さんと向き合えること、これがいちばん大きいと思っています。
 精神科の病院で働いていた頃は、集団で関わらせていただくことが多かったので、個々の面談の時間はあっても、お一人の方とじっくり会話をさせていただく機会は、なかなかありませんでした。
 それに対してデライトでは、一対一の立場で、1回につき30分ほどの時間をかけて接する形になります。
 さらに、利用者さんのお宅にこちらから訪問するので、その方の生活のあり方をはっきりと知ることができます。
 そんな中で、ちょっとしたことで御本人が良くなられたり、笑顔が少し増えたりといったことを、より直接的に感じることができます。それが訪問看護という仕事の魅力だと思っています。
 訪問リハビリに携わる作業療法士はけっこういますが、訪問看護、特に精神科専門のところに在籍している方は、まだまだ少ないのが実情です。
 ですので、これからうちの会社に作業療法士の方が入ってきてくださると嬉しいですし、業界全体でも増えてくれれば、互いに情報交換や勉強ができて、サービスの質を上げていけると思っています。


【デライト蒲田 川島作業療法士】

【編集後記】
ブログ第6回は引き続きデライト蒲田の川島さんへのインタビュー形式での掲載です。
精神科訪問看護の現場における作業療法士さんの仕事が少しでもイメージしていただけましたでしょうか?