訪問看護ステーション デライト桜新町
藤代看護師
今回は、デライト桜新町の藤代温香(さやか)さんにお話をうかがいました。
前職として精神科病院勤務の看護師を経験しており、デライトでは時短勤務の正社員としてご勤務されています。
――デライトに入る前は、どんな仕事をしていらっしゃったんですか?
精神科病院、特に急性期を専門とするところで、病院の看護師として働いていました。
――デライトに移ることになったキッカケ、理由をお教えください。
デライトに移ったのは去年の6月です。前の病院では、だいたい平均三ヶ月ほどで退院したり他の病棟に移っていったりするんですけど、そうなると看護がそこで途切れちゃうんじゃないかなと、ずっと気になっていたんです。
――看護が途切れる?
そうです。退院後の患者さんの生活が良くなるように病棟でいろいろやってるんですが、それは退院後にどうなっているんだろうなと。
もちろん退院前に、地域の支援とか整えてるんですけど、それがずっと継続していかないケースもあるんじゃないかなと。
それともともと大学在学時代から「地域で仕事をしたい」と思っていて、なので経験も積んだし、移ってみようかと。
――なるほど。せっかく病院の中で患者さんに親身に接しているのに、退院するとつながりが切れてしまうというのは、やはり不安はありますよね。では、いまデライトでの働き方は?
時短勤務という形で、普通なら9時から18時なんですけど、子育て中ということで17時まで、一時間短くさせてもらっています。それで、週に5日、働いています。正社員です。
――1日に何件くらい?
5件くらいですね。
――毎回異なる方を見て回る。
基本そうですね。月曜日はこの方、というローテーションはありますが、「この利用者はこの看護師が担当」という形ではなく持ち回りが基本です。また、わたしの都合で他の方と交代してもらうことも少なくありません。
――いろんな利用者さんを見ている中で、特に印象に残った出来事などは?
うーん、まだデライトに来てから日が浅いので、ちょっと難しいんですけど。
一つ前の職場(病院)でお会いした方々に比べると、思っていた以上にみなさん大変な思いをしてるんだ、頑張って生活しているんだなと実感します。症状を抱えていかなくてはならないものなので、自分の気持や生活に折り合いをつけて、生活しているということが伝わってきました。
――病名としては?
統合失調症、うつ病、双極性障害、アルコール依存症、発達障害、摂食障害の方もいらっしゃいます。
――多岐にわたっていますね。では対応も通り一遍では上手く行かないんじゃないでしょうか。
そうですね。その人に合わせた対応をします。
――デライトで働いていて、病院勤務時代と一番大きく違うなと思う点は?
病院での治療はこっちのペースになるんですね。我々が提供する医療に患者さんが乗ってきてくれると言うのが前提。最近は例外も増えていますが、基本的にそうです。
――デライトに来て、病院とはそういうところだったんだなと改めて気づいたということですか?
そうです。でもここでは、生活している方のおうちに行くので、その人のペースになる。たとえば、したいことや大事にしていることをまずこちらで理解して、治療というか看護に入らせてもらうんです。
あとは、病院だと24時間誰かが見ていて、このタイミングでこのケアをしましょうということをしやすいんですけど、ここだと週に一回とか二回なので、見てない時間帯がどうしても長くなる。その行っていなかった時間を、いくら予測しても、実際に行ってみないとわからないんです。
なのでこちらで計画はするんですが、まずはその人の様子をうかがって、ケアの計画を修正することが必要になります。
――言ってみれば「アドリブ」的な?
そうです。一ヶ月でこうなっていたらいいなと思うことが、実際は全然違ったりする、じゃあ修正して三ヶ月かけて実現していきましょうとか。そういうことですね。
――利用者さんが大事にしていることというのは、具体的には?
色々ですね。趣味を中心に生活をしたいという人もいれば、家族と一緒にいたいとか、ペットを大事にしたいとか。
――ペットですか。
ペットに食べさせるためのお金は十分に払いたいから自分の分は抑える、なんて人もいます。その人の健康を思えば、本当は「それは違うよ」と指導したいんですけど、でもその人がペットが一番大事と言うのであれば、それを大前提として、その中でどうやって生活を立てていくかということを、一緒になって考えます。
【デライト桜新町 藤代看護師】
【編集後記】
ブログ第9回はデライト桜新町の藤代さんへのインタビュー形式での掲載です。
藤代看護師は、精神科病棟でのご経験を活かして訪問看護師として活躍中です。
お子さんがまだ小さいのですが、子育てとお仕事をしっかり両立しておられるので、ママさんナースの方に、特に働き方の参考になるのでは?と思います。
次回も引き続き藤代さんのインタビューです。